皆さま こんにちは ! APMP 日本支部 瀬戸・山下・西でございます。
三寒四温の言葉どおりつい先日まで肌寒い日が続きましたが、暖かい春の日差しも少しずつ感じられる様になり始めた3 月の陽気に誘われ、
この度 APMP BPC Dublin 2025 に参加いたしました。 今回は3名より参加レポートをお伝えいたします。
BPC概要
BPCとは、Bid and Proposal Conferenceの略で、世界中からBid and Proposalに関するプロフェッショナルが集まる会議です。
APMP本部が、毎年5月にアメリカの1都市を会場として開催、さらに3月にヨーロッパ地域を会場として開催しています。
今回はヨーロッパ開催として3/13と3/14 の2日間 アイルランド・ダブリンにて行われました。世界中から志高い専門家が集結しているイベントとして定評のあるBPCであり、参加するメリットは多数あるのですが、中でも2つに絞るならばこちらです。
1.魅力的なコンテンツを聴講できること
2.世界の多様なコミュニティーと繋がる機会が得られること
今回も世界中からBid and Proposalに関するプロフェッショナルが230名参加いたしました。
会場の雰囲気と共にBPC Dublinの様子をお届けいたします。昨年のBPC Barcelona参加レポートはこちら
開催期間:2025年 3月13日(木)~3月14日(金) 2日間
開催会場:The Croke Park Conference Centre
参加者数:APMP会員230名
参加チャプター数:世界各国18チャプター
日本からの参加者:6名
株式会社 日立製作所:秦さん、榛葉さん、江野村さん
APMP日本支部:瀬戸、山下、西
会場について
会場は滞在ホテル The Croke Park Hotelの向かいにあるスタジアム内のカンファレンスセンターで行われました。会場に到着すると、アイルランドの色「緑色」で統一されておりとても素敵でした。
会場内どこもかしこも緑です。おまけにスタジアムの芝も緑でしたので目に優しく温かい気持ちになりました。
※余談
会場はスタジアム内に隣接されていたのですが、こちらのスタジアムが非常に綺麗な人工芝で見惚れてしまいました。このスタジアムでは、ゲーリックフットボール(Gaelic football)が開催されるそうです。
ゲーリックフットボール(Gaelic football)とは、アイルランド発祥の団体球技であり、手も足も使えるサッカーのようなスポーツだそうで、国民的人気スポーツの一つとのことです。
開催前日
開催前日の 3/12 (水) までに日本からの参加者の皆さんが現地入りしました。瀬戸は 3/11(火) の昼頃にホテルに到着し、その日の午後はホテルや会場の下見や周辺を散策しました。
空港から現地にはタクシーで 15 分で到着するのですが、周辺は赤レンガ造りの住宅が整然と建ち並ぶヨーロッパ独特の街並みでした。
西さんは3/12 (水) 昼過ぎに予定どおり到着され、ホテルでお会いしました。山下さんは、当初西さんと同じくらいの時間に到着する予定でしたが、経由地のロンドンで搭乗予定のフライトが機械トラブルによるキャンセルとなり、その後8 時間ほどの遅延が生じたため夕方到着予定ということになりました。当日午後は、山下さんに企画・チケット手配していただいたギネス工場見学ツアーに本来
3名で行く予定でしたが、山下さんが急遽参加出来なくなったため、西さんと瀬戸の 2 名で見学してきました。見学途中に偶然にも日立の榛葉さんと江野村さんにお会いしました。日立の皆さんは3/11(火) 夜に現地入りされましたが、日中は経由地のロンドンで時間の許す限り観光されていたことを伺い、皆さんの行動力に大変驚きました。
日立さんとの懇親会
3/12 (水) 夕方から、日立の秦さん・榛葉さん・江野村さんと 日本支部 山下さん・西さん・瀬戸の 6 名で、懇親会を行いました。山下さんも予定時間に少し遅れた程度で間に合い、Dublin 最初の夜の宴となりました。
西さんが選りすぐりの店を事前に調べていただき、テンプルバーと呼ばれるパブが集まる地域のおしゃれな街中にあるGallagher’s Boxty House というお店でした。瀬戸としては個人的に、日立のお三方とお目にかかったのが初めて (榛葉さんとは、昨年アワード関連でのやりとりと Festa に参加した際にご挨拶しました) でしたが、以前から面識のある日立の方々の話題などで話を盛り上げて、逆にいろいろなお話を伺うことが出来て大変良い機会になりました。さらに現地のギネスビールやアイリッシュ料理を沢山堪能しました。
BPC Dublin 開催初日 (Day 1)
セッショントピックス 全体の流れ
2日間は、朝9時~10時にオープニングセッション+基調講演があり、その後は各会場でセッションが行われます。“BPC Dublin Welcome & Morning Plenary”
から始まり、1セッション45分間、トータル32セッションが用意されておりました。期間中はイベント用アプリがあり、各自インストールし、参加したいセッションを登録しておくことで、セッション開始前にアプリから通知があります。アプリのおかげで次の会場へスムーズに移動できました。
どの会場も熱気に溢れており大盛況です。参加した私達6名も各自関心あるセッションに目星を付けており、それぞれにセッションへ参加して参りました。セッションテーマは多岐にわたりどれも興味深いものでした。こちらについては後ほど詳しく。
オープニングセッションでの嬉しいひとコマ
3/13(木) Day 1のオープニングセッションで、CEOの Rickや Past Chairの David
より、「日本から6名も来てくれました!はい、日本の皆さん立って!はい、会場の皆さん大きな拍手を~」という呼びかけもしていただき、APMP日本支部メンバーをご紹介いただき、世界から集まった会員のみなさまに温かく迎えていただきました。私達6名を温かく歓迎していただけたことは大変ありがたく、嬉しいひと時でした。



BPC Dublin の各セッション
<当日のアジェンダ一覧>
今年のセッションに共通する重点テーマは 『Leadership』 『AI』 の2つでした。
プロポーザルマネジメント実践における本テーマの重要性と関心の高さを感じる2日間となりました。
それぞれについて、印象に残ったトピックスを共有させていただきます。
『Leadership』
APMP HQとしても力を入れて取り組んでいる APMP Leadership Academy。
その背景には、プロポーザルマネージャーがプロフェッショナルな専門職であると同時に、提案に関わる社内外のステークホルダーを1つの提案チームとしてまとめるリーダーとしての役割を期待されている点があります。 日々一緒に活動しているラインとしてのチーム以上に、提案チームにおけるリーダーシップの発揮は非常に難易度が高い資質とも捉えられます。
そんな重要なリーダーシップに求められる大切な観点として以下のキーワードが紹介されていました。
“IQ know How / EQ know You”
“NEURODIVERSITY”
“HUMAN-CENTRED LEADERSHIP”
APMP Leadership Academy の卒業生たちのコメントも併せて紹介されていました。
“HUMAN-CENTRED LEADERSHIP については、Leadership Academyで最初に学ぶモジュールになっています。
やはり重要なことは、ひとりひとりの個人に目を向け、多様性を活かしながら、チームを勝利へ導いていくということでしょうか。
『AI』
プロポーザルマネジメント業界に関わらず、各業界のゲームチェンジャーとして注目されるAI。
本インダストリーにおいて、どのように向き合っていくか、各セッションのスピーカーならびにスポンサー企業からも最注目されているテーマでした。
今年、印象的だった変化としては “Agentic AI”, “AI Agent” というキーワードが頻出していた点です。LLMの登場が業界に大きな影響を与えたことに疑いの余地はありませんが、業務への適用に於いて検討フェーズから具体的な活用フェーズに移行して来ている印象を受けました。
以下のような論旨を説明されているセッションが分かりやすかったです。
LLM登場前 : 業務プロセスの可視化、データドリブン型活動の推進
LLM登場直後 : 業務プロセスの中で汎用LLM適用シーンを検討
現在 : 業務プロセスに適した特化型AI Agentの活用を検討
また、自律的な AI Agentたちを統合的に管理する ”Orchestration AI” というキーワードも出ており、引き続きプロポーザルマネジメントにおけるAI活用が大きなテーマであると強く感じる2日間でした。
加えて、各セッションのお話を聞いていて、今後AIを活用していく上で重要だと感じた課題を補足させていただきます。
①AI活用戦略の立案:
APMP のBusiness Development Lifecycleのプロセスに合わせて、どのプロセスにおけるAI活用がビジネス的にインパクトがあるか、具体的に 改善するプロセスの数値目標をどう定めるか、提案活動においてAI活用の戦略を明確にする。
②適切なナレッジマネジメント基盤の構築:
AIを活用する上でもどのデータを正しいデータとしてAIに学習させるか、個人やチームが有するナレッジをどのように組織のナレッジとして蓄積し ていくか、そしてナレッジの活用を促進するために必要なメタデータやカテゴリ分け/タグ付けをどのように行っていくか、 これらをLessons Learned
に基づき基盤として整備を進める。
③インプット(プロンプト)する情報の精度向上:
プロポーザルマネジメントの仕事の全てがAIに置き換えられてしまうのか。スピーカーのみなさんの答えはNO。必ず人にしかできない仕事は残 る。その代表格がAIに情報をインプットし、作業を指示する仕事。まさにお客様のホットボタンをいかにして適切に捉え、AIにプロンプトしていく か、このスキルの研鑽は今後も重要なファクター。
スポンサーブースでは上記の課題を支援していくツールやソリューションなどもご紹介されておりました。
ご興味ございましたら各スポンサーページをご覧くださいませ。
セッション合間の休憩時間=Networking Refreshment Break交流時間
この時間は単に休憩だけではなく、各チャプターメンバーとの挨拶や、セッションでご一緒した方との名刺交換、スポンサーの方々と挨拶などであっという間に過ぎてしまいますが大変貴重な時間です。
RickへのAPMP Japan Festa 来日依頼
実は今回のBPCではAPMP Japan Festaへの参加をRickへ依頼する裏目標がございました。今年は日本支部設立から10周年。この記念すべき10th Anniversaryを10年前に来日してくださったRickと共にお祝いしたい !! と幹事会では考えておりました。
とある午後のセッションに参加していたところ、途中からRick がセッションに参加してきて私 (瀬戸) の 2 席前に座っていました。個人的には、このセッションが終わったらすぐに Rick に声をかけ、11 月の Festa 参加時の日程確認を取ることに対してやる気マンマンでした。セッション終了後、すぐに Rick に近づいてみたものの、元々周辺にいた他の方々 2-3 人が次々と Rick に話しかけ始めて、なかなか自分がコンタクト出来る機会が取れませんでした。その後の長い休憩時間が始まってからも再度 1 人の方とずっと会話されている状況でしたので、自分たちの方に近づいてくるタイミングを見計らって声をかけるつもりでした。その機会はすぐにやってきました。
Rick に突撃して 「1 分お時間を下さい」 とお願いし、「Japan のFesta を11/6 もしくは11/15 に予定しているので、都合がよろしいのはどちらでしょうか?」 と直接確認し、Rick 曰く 「11/15 だと Thanks Giving が近いから都合がつかないので、11/6 に してくれ !」 とのコメントがありました。 私から「11/6
でいいですよね?」 と再確認したところ笑顔でうなずいてくれました。
その後すぐに近くにいた西さんに 「Rick から11/6 で確約した」旨を伝えて、式町さんへの状況報告をお願いしました。山下さんが予め用意してきた Rick を説得するためのスライドを直接お渡しし、その直後に 4 名で写真を撮りました。

TARA
3 月開催の BPC イベントでも TARA (The Art of Reconnecting Annually : 年に1 度の世界中の仲間との再会を楽しむ) がありました。毎年5,6 月に U.S. で開催するBPC での TARA
と比較すると、何かしらの娯楽を参加者皆さんで楽しむというよりも、休憩時間の延長の様な雰囲気でいろいろな方々とのネットワーキングを拡げていく感じでした。
BPC Dublin 開催2 日目 (Day 2)
2 日目の 3/14 (金) も初日と同様に “BPC Dublin Welcome & Morning Plenary” から始まりました。ゲストスピーカーとして Mark Keane (Professor, Chair of Computer Science, School of Computer Science, University College Dublin)
という方が登壇され、AI に関するトピックで沢山の参加者を笑いの渦に巻き込む見事なプレゼンテーションでした。
私もこの様なプレゼンテーションを見習おうとあらためて感じました。
その後のセッションは、Rick, Melinda Bunston (Past Chair of U.K. & Chapter Leader of the Year 2024), Danelle Morrow (Executive of the Year 2024), Michael Lindgren (CMO, Responsive) の 4 名が、”2025 State of
Strategic Response Management : Leading in the AI Era” というトピックでパネルディスカッションを行いました。
Responsive 社が実施した Survey の結果に基づく見解について 4 名がディスカッションを進めて、非常にためになるセッションでした。
2 日目になると、日本の皆さんも BPC の雰囲気に慣れていただいた様で、各セッションに手分けして参加しつつスポンサー企業の各ブースに訪れて、それぞれの企業の製品・ソリューション・デモなどを興味深く聞いていらっしゃいました。
最終セッション
2 日目午後の最終セッションとして私瀬戸がスピーカーとなるセッションの出番が回ってきました。
セッション名は “Leveraging Enterprise AI for Bid & Proposal Transformation Journey” で、自社の Global Team で数年かけて取り組んできたことや実績を表現した内容を参考にしてプレゼンテーションしました。
イベント以前に HQ スタッフから、SNS に使えるスピーカー案内用のコンテンツを用意してくれたり、スピーカー向けにガイドラインの Call なども実施してくれて、大変役に立ちました。
SNS での事前告知を見た参加者からもメッセージを送ってくれたり、会場で直接 私に 「あなたのセッションに出席するので、楽しみにしています」というコメントもいただけたので、緊張感を高めてプレゼンテーションを行うことになりました。
HQ スタッフからはセッションの 10 分前までに会場入りする様に指示があり、その頃が一番緊張していました。前のセッションの終了後すぐに私のセッション用に PC やマイクなどの調整をスタッフと一緒に行い、その合間にセッション出席者が入室してきました。日本の皆さんもご出席いただき、さらに私に連絡してくれた方々も出席していただいて、とても励みになりました。
私のセッション内容自体には他のセッションスピーカーと比べても反省点だらけなのですが、プレゼンテーションを進めていくうちに不思議と緊張しなくなり、むしろこの場で出席者を前にプレゼンテーションしていることが、徐々にやみつきになってくる感覚がありました。
次回 5 月中旬の BPC Nashville でもスピーカーに選ばれていますので、今回の経験を反省ならびに糧にして出席者の皆さまのためになるプレゼンテーションを行おうと思います。

Closing Remarks(閉会の挨拶)
閉会は、くじ引き大会もあり、スポンサーや APMP本部からプレゼントが当たる抽選会があります。
公平な抽選をということで(?)参加者は会場に入ったら QRコードから自身の名前を記入して送信します。
リアルな参加者だけで作られたルーレットがスクリーンに投影され抽選し当選者が決定します。残念ながら日本メンバーは当選せずでした。いつも楽しめる企画をしてくれるAPMP本部のメンバーに感謝です。
最後の夜の宴
日本の参加者の皆さまとも今宵でお別れということになり、ホテルから徒歩 10 分程度の所にあるイタリア料理 & バーのお店 “INDEPENDENT PIZZA CO” で、最後の夜の宴となりました。今までほぼ一日中アイリッシュ料理づくしでしたので、イタリア料理がとても新鮮に感じました。
セッションも無事終了し肩の荷が降りて気が楽になった私は、とても美味しいビールやスパークリングワインとイタリア料理を堪能し、翌日も昼頃のフライトでしたので他の方々以上に満喫させていただきました。

次回BPC開催のお知らせ
2025年5月18日(日)~5月21日(水) アメリカ・テネシー州ナッシュビルで開催です。
お申込み、まだ間に合います!ぜひ皆さんで会場の雰囲気と熱気をご一緒できたら嬉しいです。
皆様のご参加お待ちしております!
詳細はこちら